吉祥寺のやきとりの名店「いせや」本店が建て替えのため25日限りで閉店する、というので先週末行ってきた(この記事は2006年09月に書かれたものです)。
中央線沿線住民以外に全く訴求しない!
後輩が数人に声をかけてみたが、ほぼ反応は皆無で、メールの返事すら返ってこなかったとのこと。けっきょく、中央線沿線の学校に通っていた経歴をもつ俺とヤツだけで現地集合。これ、中央線沿線の名物は、ヨソの人間にはほとんど知名度がなく、まったく訴求しないというよい例。
というわけで、知っているヒトにはまったく説明不要だが、知らないヒトにとってはまったく初耳である「いせや」を紹介すると、
・「吉祥寺のランドマーク的存在の焼き鳥屋」(yahooグルメ)
・「昭和初期から約80年間、東京・吉祥寺の名物店となっている焼き鳥の老舗」(毎日新聞)
・「吉祥寺で飲もう!」といわれて、まず頭に浮かぶのが焼きとり屋の『いせや』」(ohmynews)
こんなカンジ。
昔の遊郭みたいな木造の建物。高田渡の根拠地
店構えはむかしの遊郭みたいな木造の建物だけど、焼き鳥の煙でいぶされてすっかり黒っぽくなっちゃってる。見るからに「地震が来たらひとたまりもない」感じ。建て替えもやむを得ないか。
店の正面はカウンターの立ち飲み席になっていて、おまけにまっ昼間の十二時から店を開くもんだから、店の周りの歩道を昼間から酔っ払ってフラフラになったオッサンたちが徘徊。ちなみに吉祥寺駅から、あのジブリ美術館に向かっていく途中にも見ることができる。ちなみに伝説のフォークシンガー、故・高田渡の根拠地だったことも要チェキ。
さて、店に着いてみると別れを惜しむ人びとでTDLを思わせる長蛇の列。あきらめかけ、写真撮影に走るが、赤ら顔のオッサンが「立ち飲みカウンターに脇からスッと入っちゃえば大丈夫」とアドバイス。すると10分あまりでモーゼの奇跡よろしく目の前が開け、カウンター越しに対面したお兄さんにジョッキを注文。めでたく開宴と相成る。
シューマイは昨今まれにみる労働集約的な逸品
ここの焼き鳥は、サイコロステーキ並みの大きさでありながら一串80円という安さが魅力。それからシューマイもマストアイテム。厨房をのぞくと、営業中にも関わらずオバハンが具を皮で包んでひとつひとつ手作りしているという昨今まれにみる労働集約的な逸品だ。
やがて、かすかに「いせや≒焼き鳥屋」という情報をアタマの片隅に持っていた後輩が合流。店の古さに衝撃を隠しきれない模様。その後となりで同じく立ち飲みしていたオニーサンとオネーサンと絡みが発生。全体的に盛り上がって終宴。
ちなみに、改装後は1・2階が店舗、3階以上がマンションという悪趣味なビル(別名:丸ビルスタイル)に変身とのこと(写真右)。合掌。
いせや総本店 (いせやそうほんてん) – 吉祥寺/居酒屋 [食べログ]
(この記事は2006年09月に書かれたものです)