2017年3月2日(木)〜5日(日)の4日間、ジャパン インターナショナル ボートショー2017(横浜国際ボートショー)が開催されました。ふだんなかなか目にすることの出来ないアジムットの超巨大新艇のインテリアなども見せていただいたので、レポートします。

会場はみなとみらいと金沢八景の2つ!

会場は2箇所に別れています。みなとみらいの国際展示場「パシフィコ横浜」と、八景島の「横浜ベイサイドマリーナ」の2会場。パシフィコ横浜は屋内なので、最新のクルーザーやヨットも展示されていますが、それほど大きなものは展示されません。ベイサイドマリーナは、マリーナなので80フィートという超大型のクルーザーも展示されています。

なお、両会場の間は、電車だと1時間ほど。でも、クルーザーを見に来ているのに電車移動というのもちょっと気分的にアレですよね。無料のシャトルバスなら30分で移動できます。まあ、並びますが…。あとは有料のシャトルボートがあり、片道1,000円しますが、電車と同じ1時間で優雅な移動が可能です。

ベイサイドマリーナのクルーザー展示

ベイサイドマリーナに最新のクルーザーが一列に係留されているさまは壮観だ。

ベイサイドマリーナに最新のクルーザーが一列に係留されているさまは壮観だ。

それでは、ベイサイドマリーナでのフローティング展示を見ていこう。なお、人が多かったので思い通りのショットが撮れないケースも多かったことをご了承下さい。ディーラーのホームページがある艇はリンクを張ったので、そちらから詳しい情報を得て頂ければと思います。また、写真はクリックすると拡大します。

まずは超巨大艇「アジムット80」に試乗!

AZIMUT Flybridge Collection 80

AZIMUT Flybridge Collection 80

まずは、外装・内装ともにモダン&スタイリッシュなデザインで人気急上昇中のアジムット社(イタリア)のフライブリッジコレクション・80フィート艇。とにかくでかい。巨大な家よりさらに巨大だ。ちょっとしたマンション並みだ。価格も新艇で2億円オーバーです。

AZIMUT Flybridge Collection 80

AZIMUT Flybridge Collection 80

メインデッキですら、見上げる高さにある。その佇まいは、まるで高台の邸宅を思わせる。

AZIMUT Flybridge Collection 80

AZIMUT Flybridge Collection 80

アフトデッキは幕を張って雨風をしのげるようになっている。ソファーは山手線の7人掛けシートほどの長さがある。

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Main Salon

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Main Salon

メインサロンも巨大だ。さながら社交場といったところ。

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Lower Deck.

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Lower Deck.

昨今のアジムットのデザインの特徴は、ロワーデッキ(メインデッキからさらに降りた階)に縦長の窓を配置していることだ。外見上もモダンな印象を与えるとともに、暗くなりがちなロワーデッキの採光性も両立している。

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Shower room.

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Shower room.

シャワールーム。大理石が惜しみなくあしらわれている。

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Cockpit.

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Cockpit.

コックピットは、クルーザーというよりもはや普通の船舶。肘掛け付きのヘルムシートは、船舶免許を持っていても座るのがためらわれるほどだ。

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Cockpit.

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Cockpit.

キャプテンシートの横にはトランシーバーがずらり。そりゃ、これだけ大きければ無線でクルーと連絡を取らなければ接岸も離岸もできない。

これはもはや、トヨタのセンチュリーのようなショーファードリブンスタイルの船なのである。船員を雇ってオーナーは後ろのサロンでくつろぐ船であって、オーナーみずから舵を握る船ではない。

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Raymarine Rader.

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Raymarine Rader.

レーダーはレイマリーン製だが、左下に注目。エンジンルームをモニタリングできるようになっている。

AZIMUT Flybridge Collection 80feet open deck.

船首のオープンデッキも広大。サンパッドも普通のファブリックなのだが、波をかぶったらどうするのだろう、などと心配してしまう。

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Engine room.

AZIMUT Flybridge Collection 80feet Engine room.

エンジンルームをのぞかせてもらった。

もう、クルーザーのエンジンというより、船の博物館に来た気分だ。ちなみに、エンジンはMAN製のV12型(1550HP)2基搭載。最高速度は31ノットと、さすがにシーレイほどは速くない。とはいっても、この巨体が30ノットで白波を切り裂いて進むさまは壮観だろう。

燃料タンク容量は6000リットル。免税軽油で90円/Lとしても満タンで54万円。2億のクルーザーの燃料代にしては意外と安いか…あれ、感覚がおかしくなってきた 笑

公式サイト:Azimut 80 | Azimut Yachts official | Luxury yacht sales

次からはもう少し常識的なクルーザーを見ていこう。

プリンセス V39(イギリス)

PRINCESS V39

PRINCESS V39

いちばん手前はイギリスのPRINCESS V39。船名は39だが、ハルピットを除いても全長は41フィートある。エンジンはVOLVOのD-6 330DPを2基搭載し、最高速度は37ノットを誇る。

左がプリンセスV39、右がV42。レイアウトは大きく異なる。

左がプリンセスV39、右がV42。レイアウトは大きく異なる。

お値段は、V39で1億円ポッキリ。

PRINCESS V39|ラインアップ|プリンセスヨットジャパン – PRINCESS YACHTS JAPAN

サンシーカー マンハッタン52(イギリス)

イギリスが誇るSunseekerのManhattan 52。大人気のフライブリッジモデルだ。イギリスのメーカーなのにマンハッタンなのはなぜ?などと野暮なことは気にしない。白と青のツートンボディが気品を感じさせる。

ちなみに、007に出てくる車はアストンマーチン、クルーザーはサンシーカーと相場が決まっている。いわゆる英国人のステータスというやつだ。お値段は、新艇だと1億5千万円を超える。

内覧は、完全予約制だったので入れませんでした(翌2018年は予約なく内覧できました)。なお、この撮影後にデザインがモデルチェンジされています。

ラインアップ – サンシーカージャパン

シーレイ サンダンサークーペ(アメリカ)

Eins-Aresortが販売するシーレイのサンダンサークーペ。

Searay “Sun Dancer Coupe”

続いて、Eins-A Resortが販売するシーレイ社(アメリカ)の「サンダンサー クーペ350」。エンジンはアメリカ艇の標準エンジンであるマーキュリー社の「マークルーザー 6.2L MPI DTS/BⅢ」(350馬力)を2基搭載する。ちなみに新艇で5200万円です。ボートばかり見ているとだんだん金銭感覚が狂ってきますが、これはだいぶお値打ち価格だと思います。

Searay "Sun Dancer Coupe"

Searay “Sun Dancer Coupe” Grill

アメリカ艇らしく、船尾にはグリルとキッチンが奢られている。

公式サイト:SUNDANCER Cuope 350【サンダンサークーペ】 | アインスAリゾート株式会社

ガレオン 365HTS(ポーランド)

GALEON 365HTS

GALEON 365HTS

ポーランドの「ガレオン365HTS」。2016年に日本初上陸した気鋭のメーカーだ。コストパフォーマンスに優れたブランドとして注目が集まっている。エンジンはVOLVO D4(260PS)を2基搭載しており、巡航速度26ノット、最高速度35ノットの快速を誇る。

365 HTS – Galeon

マークィーズ 500スポーツヨット(アメリカ)

マークィーズ 500スポーツヨットの外観

マークィーズ 500スポーツヨットの外観

最後に、アメリカのマークィーズ社製の「Marquis 500 Sport Yacht」を紹介したい。デザインはイタリア国内で行われているため、ヨーロピアンの優雅さも兼ね備えている。輸入代理店はヤマハのため、アフターケアも安心だ。

マークィーズ 500スポーツヨット

マークィーズ 500スポーツヨットの外観

マークィーズ 500スポーツヨットをスターン(船尾)側から望む。

マークィーズ 500スポーツヨットのキャビン。左がコックピット、右がキッチンという変わったレイアウト。

マークィーズ 500スポーツヨットのキャビン。左がコックピット、右がキッチンという変わったレイアウト。

マークィーズ 500スポーツヨットのキャビン。コックピットの右側がキッチンという変わったレイアウトだ。コックピットの右側は、航行時に外を眺める特等席だが、あくまでゲストにはラウンジで優雅な時間を過ごしてほしいという設計思想なのだろう。

マークィーズ 500スポーツヨットのキャビン

マークィーズ 500スポーツヨットのキッチン。

コックピットにはIPS用のジョイスティックが。

コックピットにはIPS用のジョイスティックが。

こちらがコックピット。Volvo IPSを搭載するため、ジョイスティックが装備されている。

VOLVO PENTA IPSのプロペラ(2017ボートショー・パシフィコ横浜屋内展示)

VOLVO PENTA IPSのプロペラ(2017ボートショー・パシフィコ横浜屋内展示)

ちなみに、IPSのプロペラはこちら。ジョイスティックを操作すると、スクリューの向きが扇風機の首振りよろしく回転して船の方向を変えてくれる画期的なギミックだ。だから小回りが効くし、離岸・接岸時がとても楽だ。通常、船のスクリューは後ろ向きに固定されていて、舵と左右のエンジンの出力で向きを調整するしかない。

マークィーズ 500スポーツヨットのキャビン

マークィーズ 500スポーツヨットのメインサロン

マークィーズ 500スポーツヨットのメインサロン。ソファーはなんと、固定されていないものがディスプレイされていた。

マークィーズ 500スポーツヨットのシャワールーム

マークィーズ 500スポーツヨットのシャワールーム

シャワールームは、ガラス張りの今風のデザインを取り入れてはいるが、先に紹介したアジムット80のそれに比べると必要最小限のシンプルなものだ。

マークィーズ 500スポーツヨットのラバトリー

マークィーズ 500スポーツヨットのバスルーム

バスルーム。日本人ならウォシュレットを付けたいと思うはずだ。だが、そうした工事で50万、100万があっという間に飛んでいくのがクルーザーの世界だ。だって下手な家のリフォームより船のほうがお金かかるんですから。

マークィーズ 500スポーツヨットのゲスト用ベッドルーム

マークィーズ 500スポーツヨットのゲスト用ベッドルーム

こちらがゲスト用のベッドルーム。キャプテンルームは人が多く写真に撮れなかったが、とても広い。

マークィーズ 500スポーツヨットのフライングブリッジ(FB)。

マークィーズ 500スポーツヨットのフライブリッジ(FB)。

マークィーズ 500スポーツヨットのFBからバウを望む。

マークィーズ 500スポーツヨットのFBからバウを望む。

マークィーズ 500スポーツヨットの ストームレール(手すり)。

ストームレース(手すり)はデザイン性を重視して、かなり低い位置に設けられている。女性や、そうでなくても荒れている時はちょっと怖いかもです。

50フィート艇だけあって、船内はメインサロンの他、3部屋(キャプテンルーム+2つのゲスト用ベッドルーム)、2パウダールームのレイアウトとなっており、キャビンの広さは圧倒的である。

Marquis 500 Sport Yacht – MARQUIS | ヤマハボート 横浜店・大阪店

パシフィコ横浜の屋内展示

ボートショー2017 パシフィコ横浜の屋内展示(ヤマハブース)

ボートショー2017 パシフィコ横浜の屋内展示(ヤマハブース)

みなとみらいのパシフィコ横浜会場の屋内展示。屋内にもクルーザーは展示されているが、さすがにそこまで大きなクルーザーの展示はない。その他の屋内展示はジェットスキーや船具などで、フェンダーやクリートなどの船具は実際に販売されている。

トヨタマリン ポーナム31

トヨタ「ポーナム31」

トヨタ「ポーナム31」

トヨタブースに展示されているのは、自動車メーカーの雄トヨタが2014年に送り出した「ポーナム31」。じつはボートの世界では、日本のメーカーのシェア1位はヤマハで、4割を超える。トヨタのシェアはわずか5-6%と苦戦している。

海の世界ではやはりトヨタよりヤマハのほうがブランドイメージはよい。もっといえば、もとから富裕層向けの市場なので海外メーカーのほうが強い。ポーナム31も、内装の質感はアルファードというよりはアクアやノアといった趣で、いまいち迷走中といったところだ。

2019年にレクサスブランドで「スポーツヨット」が発売されるが、トヨタマリン事業の将来の方向性ははレクサスにあるのかもしれない。

末筆ながら、トヨタ「ポーナム31」の価格は2970万円(税抜き)。ね、だいぶ安く感じてきたでしょ?!

公式サイト:PONAM-31|TOYOTA MARINE(トヨタマリン)

カワサキ JET SKI ULTRA 310LX

カワサキ JET SKI ULTRA 310LX

カワサキ JET SKI ULTRA 310LX

このカワサキのJET SKI ULTRA 310LXは、スーパーチャージャー過給の直列4気筒1500CCエンジン搭載で300馬力。価格は225万円。クルーザーのプライスタグを見てきたあとだと、キャッシュで買ってしまいそうだ。

公式サイト:JET SKI ULTRA 310LX | 株式会社カワサキモータースジャパン

以上駆け足でしたが、「ジャパンインターナショナルボートショー2017」のレポートでした。各種展示会のなかでも非日常を味わえるので、クルーザーを買うつもりのない方にもオススメです。例年3月に横浜で開催されます。

「ジャパンインターナショナルボートショー2017」公式サイト