退屈なデザインばかりの携帯電話に脳天直撃のドロップキックをかます“神”端末がいよいよ降臨する。それは、あの米国モトローラ社が満を持して日本市場に投入する「M702is」だ。FOMAで最も薄い厚さ14.9mmのスリムデザイン、アルミボディやステンレスキーパッドを使用した先進的なデザイン…とか細かい説明はもはや不要。とにかくカッコいい。
アメリカや欧州をはじめとする世界中で大ヒットした「RAZR(ライザー)」を日本向けにリファイン。クルマ風にいえば、さしずめ「世界戦略ケータイ」といったところだ。
何につけ、日本人はドメスティックブランドへの忠誠度がずば抜けて高い人種だ。たとえば、クルマでも国産車のシェアがこれほど高い国はない。まあ、百歩譲ってクルマはよしとしよう。日本メーカーの自動車はグローバルな規模で見ても通用している。
ところが携帯電話はどうだ。国内家電メーカーの携帯電話は海の向こうではまったくといってよいほど勝負になっていない。世界的に見れば、携帯電話メーカーのシェアはノキアやモトローラといった欧米のブランドが圧倒的だ。
日本国内に目を転じると、小利口な家電メーカーがこしらえた、こざかしくてアタマでっかちでおよそクールとはほど遠いケータイばっかりがはばを利かしている。しかも過度のモデルチェンジを繰り返したばかりに、デザインは出がらしのようになってしまっている。
たしかに、いままでの海外メーカーの携帯電話は“平均的な”日本人に訴求しうるだけの魅力に乏しかったことは事実だが、これは一種の“鎖国”とでもいうべき異常な状態だったのである。
そこにきてようやく、この「M702is」である。だれが見てもかっこいいし、実際にIT系サイトのアンケートでは、この夏に市場投入されるドコモ702ixシリーズのなかでもダントツの1番人気となっている。なにしろ、あのDolce & Gabbanaとコラボレートするほどであるから、格がちがう。
このM702is、きっと携帯電話界の“黒船”となるに違いない。
モトローラというのは不思議なブランドで、日本において製品がほとんど流通していないわりに、ブランドの知名度や好感度はずばぬけて高い。
そんなブランドが魅力的なプロダクツを投入したらどうなるか。
鬼に金棒どころか、モトローラという燎原の火は瞬く間に日本中に広がることだろう。■
(この記事は2006年10月に書かれたものです)